読書『謎のクィン氏』

アガサ・クリスティの推理小説(短編集)です。

初老の男性サタースウェイト氏と謎の男性クィン氏が中心的に登場します。サタースウェイト氏は、イギリスの上流社会に属する人物であり、特に芸術に興味を持っています。しかし、サタースウェイト氏自身が芸術家という訳ではありません。彼は見物人です。人生においても、彼は周りの人々を的確に観察することができますが、彼自身は脇役でした。しかし、クィン氏という不思議な人物が現れると、サタースウェイト氏はその場の主役を演じる流れになり、その時々で起こる事件を解決することになります!

読書『もの言えぬ証人』

アガサ・クリスティの推理小説です。

名探偵ポアロのところに依頼の手紙が届きました。しかし、その手紙は書かれてから二ヶ月以上経ったものでした。ポアロと友人のヘイスティングズは、手紙の差出人の住所へ向かいました。すると、手紙の差出人である高齢の女性エミリィ・アランデルは、すでに病死していることがわかりました。エミリィは昔ながらの考えを持った女性で、家名を大変に重じていましたが、遺産は家族ではなく一人の家政婦にのこされました。エミリィの死を不審に思ったポアロは、調査をはじめます!エミリィの家族たち、家政婦、召使い、庭師、近所の人々、そしてエミリィの飼っていた犬まで調べていきます。

読書 『鳩のなかの猫』

アガサ・クリスティの推理小説です。

イギリスでも有名な女子校で、体育教師が殺される事件が起こります。その後、あと二人の教師が殺されます。この学校は十代の女の子たちと、女教師たちだけという特殊な空間です。この女子校に通っている生徒たちは、基本的にお嬢様です。中には外国の王女という身分の高い女の子もいます。個人的な恨みで殺人が起こったのか、王女の隠し財産が絡んだ事件なのか、謎は深まります。小説の後半で、事件が名探偵ポアロに依頼されます。ポアロは事件を取り巻く女の人たちと「雑談」をすることによって、解決への糸口をつかんでいきます!

読書『親指のうずき』

アガサ・クリスティの推理小説です。

探偵として活躍したこともあるトミー(夫)とタペンス(妻)は初老の夫婦です。ふたりはトミーの叔母の入所している老人ホームにお見舞いに行きました。叔母の部屋には運河のそばの家の風景画が飾られていました。タペンスはその絵の家に見覚えがあります。その絵は叔母と同じ老人ホームに入所しているランカスター夫人が叔母にあげたものでした。ランカスター夫人はやや認知症のようで「暖炉には子供の死体が塗り込められている」旨の話をタペンスにしました。しかし、タペンスはその話が気になりました。タペンスは絵に描かれた家を突き止め、現在の家の住人や周辺住民にさりげなく聞き込み調査をしていきます。過去にその地域で子供がいなくなる事件が連続して起こっていたことがわかりました。そして、タペンスは思いがけない事件に巻き込まれていきます…!

読書『象は忘れない』

アガサ・クリスティの推理小説です。

女流推理小説家のオリヴァ夫人は、バートンという女性から相談されます。その内容は母親が父親を殺したのか、それとも父親が母親を殺したのか(バートン夫人の息子の婚約者の両親の問題)という内容でした。突然の話に困ったオリヴァ夫人は、友人の名探偵ポアロに相談します。その殺人事件は十年以上も前の事件でした。オリヴァ夫人も名探偵ポアロも、事件に少しでも関わりのある人々、何か知っている可能性のある人々に会いに行き、真相を究明していきます!しかし、事件の真相が明らかになるということは、バートン夫人の息子デズモンドと婚約者シリヤ(オリヴァ夫人の名付け子)の結婚にも影響を与えることです。二人は真実を受け止めなければなりません。

読書『火曜クラブ』

アガサ・クリスティの短編推理小説です。

ミス・マープルの甥は作家です。その知人たちがミス・マープルの家に集まって談笑していました。お客は女流画家、紳士、博士、老牧師、弁護士などでした。話の流れで、各自が真相を知っている事件を物語り、その事件を推理し合うということになりました。

これは短編小説で、その度に語り手が変わるのですが、お客たちの予想を裏切りミス・マープルが次々と真相を見抜いていくのでした。村で静かに暮らしている老嬢マープルさんは、村で起こる小さな事件に照らし合わせて他の事件も推理するという独特の推理スタイルです!

読書『カリブ海の秘密』

アガサ・クリスティの推理小説です。

老嬢ミス・マープルは転地療養のため、南の島(西インド諸島)に滞在していました。リゾート地のため、若者たちもいれば老人たちもいます。ある日、ミス・マープルはパルグレイヴ少佐という話好きな老人の聞き役をしていました。彼は若い頃の自慢話が好きで、昔の写真を持ち歩き、話と共に写真を見せることも好きでした。パルグレイヴ少佐は、とある未解決殺人事件の話をして、犯人の写真を持っていると言い、ミス・マープルに見せようとしました。しかしちょうどその時、彼はミス・マープルの背後にいる人々に気づいて写真をしまって話題を変えました。次の日、パルグレイヴ少佐は死体となって発見されました。ミス・マープルは真相究明のため動き出します!

読書『ヒッコリー・ロードの殺人』

アガサ・クリスティの推理小説です。

名探偵ポアロの秘書ミス・レモンの様子がいつもと違い、落ち着きを無くしていました。その理由は、ミス・レモンの姉ハバード夫人が働く学生寮で次々と盗難が起こっていたからです。若い男女が下宿している寮には、様々な人間関係があります。また、様々な国籍、様々な思想が寮内にあります。盗難の後には殺人も起きます。ポアロは盗難の順序や、若者たちとの会話から真実を見抜いていきます!

若者たちの中には勉強、友情、恋愛、将来の夢、金銭、思想・宗教など様々な思いや妬みが渦巻いています。

読書『杉の柩』

アガサ・クリスティの推理小説です。

ロディーとエリノアは幼なじみで、婚約していました。二人の前に美しいメアリィが現れ、ロディーはメアリィに惹かれていきます。エリノアはメアリィを憎みます。そんな中、エリノアの叔母が病で亡くなりました。エリノアは叔母の遺産を引継ぎます。お金やメアリィのことでロディーとエリノアは婚約を解消してしまいました。メアリィはその後、毒殺されます。容疑者はエリノアです。エリノアが犯人ではないと信じているロード医師が名探偵ポアロに事件の解決を依頼します。事件を取り巻く人々に話を聞いていくポアロは、真実を見抜いていきます!

メアリィは美しい悪女という訳ではなく、美しい誠実な女性として描かれています。エリノアも恥ずべきことはしないという尊厳を持った女性として描かれています。

読書『NかMか』

アガサ・クリスティの推理小説です。

おしどり夫婦で探偵としても活躍してきたトミー(夫)とタペンス(妻)。イギリスがドイツとの戦争中、二人とも何かイギリスのために働きたいと思っていました。トミーには国の情報部から仕事の依頼がありました。冒険心の強いタペンスも強引にその仕事を引き受けます。二人はナチス・スパイ網の中にしれっと潜入していきます。

戦時中、皆が「普通のイギリス人」のふりをして生きています。全員が怪しく思えるのですが、真偽はいつかは明らかになるものですね。